このページでは、会社の設立、一般社団法人の設立を代行業者に依頼する際の妥当な手数料についてご説明をいたします。

手数料をいくらに設定するかは自由ですので、「この金額が妥当」というものはありません。

しかし、その中で多くの方を惑わせるのは「え!こんなに安くていいの?」と感じる料金設定をしている代行業者ではないでしょうか?

特に「0円」だったり「●千円」といった低価格の手数料を提示している場合です。

実は、これらには多くの場合からくりがあります。

設立手数料が0円の代行事業社

昔からタダほど高いものはないといいます。

なぜ、「0円」で設立作業を請け負ってくれるのでしょうか?

普通に考えれば「0円」代行すれば赤字になるだけです。しかし、そこにはちゃんと裏があります。

設立代行作業をゼロ円で請け負っている事業者は殆どの場合、次のどちらかに当てはまります。

  1. 税理士事務所(会計事務所)
  2. 会計ソフト提供会社

税理士事務所が設立代行手数料を0円で提示できる理由

税理士事務所のメインとなる顧客は中小企業です。

その中小企業に営業して税理士の顧問契約を取ることは決して簡単なことではありません。

既存の会社に営業するよりは、これから会社を設立する人をサポートして、そのまま顧客としてしまうしてしまうほうが容易です。

そこで、「0円」で、会社や法人を設立してあげる代わりに、顧問契約を結んでもらうわけです。

会社や一般社団法人を設立した場合、遅かれ早かれ顧問税理士を雇うことになりますから、経営者の側からしても決して悪い話とは言い切れません。

しかしこれにはデメリットもあります。

代行手数料「0円」で会社や一般社団法人を設立してもらい、顧問契約を結んだ場合、すぐにその契約を解除するということができません。

これはスマートフォンの契約と似ていますね。

短期間で解約してしまった場合には、違約金などを取られるケースもあるようです。

税理士とは長い付き合いになりますから、その事務所との相性というものが重要になってきます。

相性が悪い場合、当然事務所を変えたいと思ったりするわけですが、これが思うようにいかないケースも出てきますのでこれがネックとなってきます。

会計ソフト提供会社が設立手数料を「0円」で提示できる理由

これに関しても税理士事務所の場合とほぼ同じとなります。

会計ソフトを使ってもらう代わりに会社設立代行手数料をゼロ円にしてあげるというスキームとなっています。

顧問税理士を雇ってしまえば、会計ソフトを使うことはないケースもありますので、会計ソフト提供会社に会社が設立を依頼する場合には、慎重に事を運んだ方が良いかと思います。

設立手数料が数千円の代行事業社

設立の手数料が「0円」でも、バックエンドで、税理士の顧問契約や、会計ソフトの使用契約を結ばされるというのであれば、「0円」の理由も分かりますね。

では次に、設立手数料が「数千円」事業者というのはどうなのでしょうか?

手数料「数千円」で本当にやっていけるのか?儲かるのか?という疑問が生じるのは普通だと思います。

手数料が数千円の事業者の場合、薄利多売で利益を上げる場合と、書類の作成をシステムに頼って、人間の手間を極力減らしている事業者とがあります。

薄利多売の場合は、お分かりになるかと思いますので説明は省略いたします。

書類の作成をシステムに頼るとはどういったことなのか?これは、依頼者側がインターネットを使った画面上に必要事項を入力することによってコンピューターシステムが書類を自動で作成するということです。

ただこの場合にネックとなってくるのは、定款という書類に記載する事業目的(事業の内容)です。

この事業目的の記載に不備があった場合でも、システムはそれを見分けることができないということにあります。

会社を設立した後、行う商売の種類によっては、定款への記載方法が決められている場合があります。

例えば「人材派遣業」を行う場合には、定款の事業目的の記載欄には「労働者派遣事業」と記載していないといけません。

しかし、一般の方はそういったことを知りませんから、労働者派遣事業とは書かないで人材派遣業と書いてしまうわけです。

しかし書類を作るだけの機能しかないシステムではこの文を見分けることができません。

また定款を認証する公証人も、定款に記載された事業目的によって、所轄官庁の「許可・認可が出るのかどうか」というところは判断しません。

「労働者派遣事業」と定款に記載がないと労働局から「人材派遣業」の許可が出ないのですが、公証役場では「人材派遣業」と記載されていても定款を認証してくれます。

以上のようなことから、手数料が数千円で設立作業を請け負っている事業者を使う場合には、注意が必要です。

また、その他にもこだわりのある内容の定款を作りたい場合にもシステムでは対応できませんので注意が必要です。

しかし、依頼する一般の方がこれを見分けるのはとても難しいものがあります。この部分をどう判断されるかはお客様次第です。

結局いくらの手数料が妥当なのか?

ここに関してはとても難しいものがあるのですが、私の個人的な判断とすれば2万円から6万円程度が妥当なのではないかと思います。

この価格の幅は何によって決まるかというと、「実際に会って、回数無制限で相談が出来るのか?」とか、「設立後のサポートも手厚いのか?」など、コンサルティングおよびサポートの手厚さによって変動するのではないかと考えます。

以上妥当な手数料についてご説明をいたしました。

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